水無月の「無」は「の」
- 2017/06/02
- 00:56
6月になりました。外はすっかり入道雲。
そう、梅雨だぜ。しかも早くも2017年の折り返しに入ろうという所なんだぜ(発狂)
そもそも水無月といえば6月の事。
梅雨の時期に「水が無い」というのもおかしな話に思えますが、「無」は古文の「な」=「の」の意味で「水の月」という意味なんですね。
(神無月も同様。諸説あり)
以下、歴史屋やってた頃のよもやま話。
今にして思えば、歴史研究をやっていた頃はあまり「暦」というものを意識していませんでした。(こんな人間でも一応学位はあるのさ)
太陰暦を使っていた旧暦は明治になって、西洋の太陽暦に変わるのですが、その旧暦と新暦の対応計算方法が全然分からなかった。
(そのくせ書いた論文では、古文書の日付の比較であれこれ研究をしていたんで、とんでも無い奴だったと自戒)
以前史学調査の折、「三島暦師の館」という史跡に立ち寄って、ガイドさんに説明してもらった時の話を思い出します。
ガイドさん曰く、
「例えば、『桶狭間の戦い』の日付は、永禄3年5月19日。これは新暦に直すと、1560年6月12日。
旧暦の日付だけ見てしまうと、今川義元は、5月のあたたかな春先に討たれたように見えます。
しかし、実際は、梅雨入りのぬかるみの中で戦っていたんじゃないかと想像出来たりするのです」
との事。
確かに、蹴鞠好きの肥満であっけなく死んだイメージの今川義元(これは後世の創作です)から、
ぬかるみの中で織田軍の襲撃に抵抗しつつも、苦戦してあえなく討死! な感じの方がかっこいいなぁ。(小並感)
……じゃなくて、実際「信長公記」にも攻撃直前に雷雨があったと書いてあるので、これは正しい話。
歴史上の出来事は、教科書の日付だけ見て今の季節・時間感覚で想像してしまうと、全然違うモノになってしまう、という話でした。まる。
そうそう、「暦」を題材にした作品といえば、冲方丁先生の『天地明察』。
江戸時代の実在した江戸幕府の初代天文方「渋川春海」を主人公に、
日本独自の新しい暦を作ろうと奮闘する、彼の青春と人生を描いた作品です。
自分が本書を読んだときは丁度「おおすみ」をスタートした真っ最中。
「わざわざ未来の世界でロケットを飛ばさなくても、宇宙は描けるんだぜ」という衝撃と歴史屋の不勉強のお叱りを受けたものです。
これは実写映画や漫画にもなっていますので、是非読んでみてください。いや、面白いよ。ほんと。
《おしらせ》
珍しくお仕事情報。
「MoeNovel」様より海外向けに発売されました、「LoveKami –Useless Goddess–」で一部なのですが、
背景の彩色をさせていただきました。 書いて大丈夫ですよね(震)
様々の方のご厚意で、今回貴重な機会をいただけた事に感謝しています。
Steamで販売中ですので、英語が得意な方も、そうでない方も、良かったらプレイしてみてね。
《宣伝》
むっさんさんが「しおさいのセレナード」の実況プレイ動画を公開してくださっています。
いよいよEP3の過去編が完結ですね。改めて感謝です。
ちなみに何で桜の故郷が、長崎五島だったかというと、直前に史学ゼミの旅行で、長崎五島に行ったから。
「ばらかもん」を見てくれれば分かりやすいと思いますが、すごい良い所でしたよ。
長崎しかり、九州は好きなんでいつかまた旅行に行きたいなぁ。
「ナツイロセールトリム」の動画版も③を更新しました。
次の④で先行体験版の範囲が終了。⑤から新規追加エピソードになります。
早いものでもう夏。忙しくなるなぁ。